夏の終わりの忘れられない夜【女性|19歳】

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ふとした瞬間に、窓の外で鳴いている虫の声を聞くと、あの夏の匂いを思い出すことがあります。
湿り気を帯びた夜風と、草いきれの混じった空気。

あれは今から長い昔のこと。
私は大学に入ったばかりの19歳で、サークルの夏合宿に参加していました。

当時、同じサークルにいた直樹(仮名)くんとは、同学年でした。
彼は明るくて、誰に対しても分け隔てなく接する、クラスの人気者みたいな人。
そんな彼と、合宿の2日間で、なぜか急激に距離が縮まってしまったんです。

焚き火を囲んで話したり、夜の海辺を一緒に歩いたり。
二人だけの秘密のような時間が積み重なっていくうちに、私は彼に対して、ただの友達以上の、言葉にできないほど強くて甘い感情を抱いていました。

合宿最終日の夜のことです。
みんなが寝静まった後、暗闇の中で彼からこっそり連絡がありました。

「ちょっとだけ、外に出ない?」

心臓が、壊れそうなくらい大きく跳ねました。
不安と、期待と、それから少しの背徳感。私は寝返りを打つふりをして、そっと布団を抜け出しました。

合宿所の裏手にある、人気のない場所。
月明かりがわずかに地面を照らす中、彼と目が合った瞬間、言葉はいらなかったと思います。
いい夜だねとか、楽しかったねとか、そんな他愛のない話をしているうちに怪しい雰囲気になり(笑) うすうすわかってはいましたが告白をされちゃいました! (告白内容は秘密です笑)
当然私も直樹君のことはきになっていたのでお付き合いすることになりまして、
夏の夜、雰囲気も雰囲気だし、 そこにいるのは底抜けにエッチなことに関心がある初々しい学生カップルです。

はじめてのちゅっとキスをしたが最後、その流れのまませつなそうな声で

「したいんだけど、いいかな?」

と優しく耳打ちされちゃいまして。。
(こんな外でできるの?)って不安に思っちゃったのですが、

「こっちきて」

と手を引かれるままについていくと、昼間にバーベキューで使用していたコテージでした。

「先輩に言って鍵かりてるから」

そういわれるとそのまま鍵をあけて中へ。ばれてはいけないと電気は付けずに、
月明りだけの室内で、少しほこり臭いソファにそっと押し倒されました。

見つめあって、キスをされて、胸を触られて。

初めての体験に頭はぐるぐるでいっぱいでしたが、時折じっと私の目をみてかわいいよと言ってくれる直樹くんに、この人にならはじめてをあげちゃってもいいやと、妙な納得感があったことを覚えています。

でも、いざ事が始まろうとしたとき、私は猛烈な不安に襲われました。
「本当に入るかな」「痛かったらどうしよう」そんな考えが頭をぐるぐると駆け巡って、どうしても身体が強張ってしまうんです。

彼の手が私の腰に触れたとき、思わず身をすくませてしまいました。

「……ごめんね。怖くない?」

彼が優しく耳元で囁いてくれました。
その声があまりにも穏やかで、真っ直ぐだったから、私は震える声で

「……大丈夫」

と嘘をつきました。
でも、実際には全然大丈夫じゃありませんでした。

初めて感じた痛みは、想像していたよりもずっと鋭くて、少しだけ切ないものでした。
思わず彼の背中に爪を立ててしまい、「っ……」と声が漏れる。
変な顔になりそうなのを必死に堪えて、私はただ彼を見つめることしかできませんでした。

けれど、不思議なものでした。痛みのあとにやってきたのは、言いようのない充足感。
ゆさゆさと揺れる感覚、お腹をおそう異物感に「あ、私男の人に愛されているんだ」という感動。

「……すごい、温かいね」

彼が私の頬を撫でながら言ったその言葉に、私はようやく、自分が一人の女性として誰かに受け入れられたんだという実感が湧いてきました。痛みさえも、彼と繋がっているための大切な儀式のように思えたんです。

あの夜の経験は、私にとって単なる「初めて」以上の意味を持っていました。
それは、自分の身体を、そして誰かを深く愛することへの入り口だったのだと思います。

それから数年後、私たちは自然な流れで結婚しました。
今では、小さな子供もいて、賑やかで幸せな毎日を送っています。

子供が寝静まった夜、ふと隣にいる彼(あの時の直樹くん)の横顔を見つめる時。
私はいつも、あの夏の夜のことを思い出します。
不器用で、怖くて、でも最高に愛おしかった、あの一瞬の熱を。

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